浦安せきぐちクリニックは難病指定医です

リウマチ治療の経験豊富な医師による関節リウマチ治療は浦安せきぐちクリニックへご相談ください。

当院の関節リウマチの治療

メトトレキサート(MTX)の関節リウマチ治療

抗リウマチ薬として、使用上の禁忌がなければ、第一選択薬は適切な量のメトトレキサートです。

メトトレキサート(MTX)は、7割を超える方が服用しており、リウマチ治療の中心となっています。

投与条件

関節リウマチの診断を受け、尚且つ予後不良と思われる方では、効能や利便性等と副作用等のバランス(リスク・ベネフィット)を考えた上、メトトレキサート(以下MTXとする) を第1選択薬として考慮します。

その他の低分子経口抗リウマチ薬の通常量を2~3カ月以上継続投与しても治療目標に達することのない方には積極的にMTXの投与を考慮します。

また、本剤成分への過敏症、妊娠中の方、胸・腹水を認める方や、重大な感染症や血液・リンパ系・肝・腎・呼吸器障害の方には投与することができません。軽度の臓器障害や高齢者,低アルブミン血症の方に関しては、経過観察の上での投与となります。

用量・用法

①用法

MTXの投与量は、1週間あたり1回または2~4回に分けて投与します。
また、投与間隔は12時間間隔で、1~2日間かけて経口投与します。

1週間の投与分を1回ですべて投与することも可能ですが、1週間の投与量が8mgを超える場合は、分割投与いたします。

②用量

MTXの投与開始時は1週間あたり6mgとされています。この投与量は疾患活動性、副作用危険因子や予後不良因子を考慮した上で、適宜増減します。

MTXによる治療開始後,4~8週間程経過しても効果が不十分とされれば投与量の見直し、増量します。また、忍容性に問題なければ1週間あたり16mgまで漸増することで、リウマチにおける有効性は用量依存的に向上します。

他の低分子抗リウマチ薬や生物学的製剤との併用利用の際に、MTXの用量は、MTX単剤治療の場合と同量を使用できます。

葉酸製剤との併用

葉酸製剤の、MTXとの併用投与を強く勧めています。

その理由として、葉酸製剤との併用投与は、用量依存性副作用の予防や治療に有効とされています。なので、MTXを1週間に8mg以上の投与をしている場合や副作用のリスクが高い場合では、葉酸との併用投与を強く勧めているのです。

用法・用量

MTXの最終投与後24〜48時間後に、葉酸製剤を1週間あたり5mg以内の用量を投与します。投与する葉酸製剤は通常、フォリアミン® を使用しますが、重篤な副作用時には、活性型葉酸製剤ロイコボリン® を使用します。

投与する前に

MTXの薬効や活性を示すものを探すため、MTXを投与開始する前に様々な検査を行います。

・リウマチ活動性評価とMTXの副作用危険因子の評価に必要な末梢血検査
・赤沈
・一般生化学検査
・免疫血清学的検査ならびに肝炎ウイルスのスクリーニング検査
・胸部X線検査

をいたします。

投与中

①全期間

MTXの投与を開始したら、安全性と有効性のためモニタリングを行います。
モニタリング(検査)内容として、末梢血検査(MCV、白血球分画を含む)、赤沈、CRP、生化学検査(AST、ALT、アルブミン、血糖、Cr、BUN)および尿一般検査をします。

このモニタリングのための検査は投薬開始後または増量後6カ月以内に関しては、2~4週ごとに行うのが望ましいとされています。

投与量の決定後、その有効性の確認がされた後は、4~8週ごとに行います。但し、胸部X線検査については年1回の検査をします。有効性の判定については、リウマチの疾患活動性と関節画像による評価をします。

②周術期

整形外科予定手術の周術期の週12mg以下のメトトレキサート(MTX)の継続は、術後合併症や創傷治癒には影響せず関節リウマチの再燃を少なくするため継続は可能です。整形外科予定手術以外の手術やメトトレキサート(MTX)の投与量が1週間あたり12mg超の高用量投与における手術の際には、個々に考慮し継続、一時中断などを判断いたします。

③妊娠・授乳希望

MTX投与中は子供へのリスクを考慮し、避妊を推奨します。

投与中の方が妊娠を希望された場合には、女性も男性も妊娠計画の3カ月前には少なくともMTXの投与を中止することを推奨いたします。 また、授乳中に関しても、MTXの投与はいたしません。

副作用

当院では、MTXの投与開始時に、副作用の予防、早期発見・治療のために、主な副作用の初期症状を十分に説明します。また投与継続中に関しましても、不明点や心配事などありましたら、ご説明いたします。

骨髄障害や間質性肺炎、感染症といった重篤な副作用に関しては、危険因子の評価と予防対策を行ったうえで、発生時には適切な対処をいたします。

こんなときはメトトレキサートを一時飲むのをやめましょう

以下のような場合にはメトトレキサートの服用を一時お休みすることで、副作用が予防できる可能性が高まります。


1~2週のみメトトレキサートを止めてもリウマチがすぐに悪化することは通常ありません。まずメトトレキサートを中止して、早めに医療機関に連絡または受診してください。また手術や抜糸をうける場合にはあらかじめ主治医に相談しましょう。

①感染症が疑われるとき

かぜ症状(のどの痛み、頭痛など)が強いとき、微熱が続くとき、38℃以上の高熱が出たとき、咳や淡の多いとき、いつもと違う息苦しさがあるとき、リンパ節の腫れ、排尿時の痛みなどの膀胱炎症状があるときには、服用を一時中止しましょう。

②以前にはなかった口内のただれがあるとき

メトトレキサートの副作用に口内炎があります。
メトトレキサートを飲みはじめたり、増やしたあとに新しい口内のただれがいくつもでてきたときには服用を一時中止しましょう。

③脱水症状(尿の出が悪い、口が強く渇く)が強いとき

熱中症、食欲低下、嘔吐、下痢などで脱水症状(尿の出が悪い、口が強く渇く)が強いときには服用を一時中止しましょう。
このようなときにはメトトレキサートの副作用がでやすいので、服用をやめましょう。

④皮膚に症状がでたとき

帯状疱疹(ヘルペス:チクチク痛む水疱がまとまってできる)、蜂巣炎(皮膚・皮下の細菌による化膿性炎症)や、からだの広い範囲に皮膚の症状がでたときには服用を一時中止しましょう。

副作用早期発見のための症状から考えられる
メトトレキサートの副作用
症状 左の症状がある場合に
可能性のある副作用
発熱・咳・息切れ・呼吸困難 細菌性肺炎、ニューモシスチス肺炎、間質性肺炎などの重症な肺障害
食欲不振・嘔吐・下痢・口内炎・のどの痛み 脱水でメトトレキサートの血中濃度が著しく上昇したことによる骨髄抑制(血球減少)
嘔気・倦怠感 メトトレキサート濃度の上昇や肝機能障害
皮下出血 血小板減少(骨髄障害)